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ゆきみざけ
ゆきみざけ
イラストSS
季節が巡り。またこの日がやって来た。シャイネンナハト。雪降る縁側に座る慧と百華。
「私からけーちゃんにプレゼントがあります。じゃん!」
「シルエットが完全に酒瓶っすけど」
「今日の為に良いお酒もらってきたよ~」
「主さんが呑みたいだけでは? 頂くっすけど」
百華がはい、けーちゃんの。と言いながらおちょこを渡す。
「去年は私が貰う側だったから。今年は私が」
慧が酒の栓を抜き二人で準備する。
「雪見酒、とか言うやつっすかね」
「そうそう、それ。ご馳走もあるよ」
百華は酒の肴を並べた。
今年晴れて成人した二人。なので飲酒も解禁と言った所だ。
慧が酒に軽く口をつける。花のような香りと水のような飲み心地。詳しくはわからないがいい酒だと自分にもわかる。
「主さんペース速くないっすか?」
「私ザルなんだよねー。慧ちゃんあんまり飲まないでしょ? 今日はいっぱい飲みなよー」
ちびちびと飲んでるのを見抜かれていた。確かに酒はあまり強くない。
「どうしてっすか?」
「自分のお酒の限界値を知ってると失敗しないでしょ? ほらほら。ツマミもしっかり食べる。お酒ばっかりだと酔いやすいよ」
これだから自分はこの人に頭が上がらない。
※SS担当者:7号