イラストSS

「今日は寒いね、ほむちゃん」
「そうだね、秋奈ちゃん。早く帰りたいね」
　何気ない買い物からの帰り道、秋奈と焔は二人並んで歩いていた。そんな中、秋奈はひとり呟く。
「……けど、まだ帰りたくないな」
　そう思った秋奈はふと近くの、雪が積もった公園に目を向けた。
「そうだ、ほむちゃん。雪だるまつくろーぜ」
「いいね！　ボクも賛成！」
　こうして二人は買い物袋を置いて公園の真ん中へと駆けていくのであった。
「うーん、これだけだとなんだか物足りない気がするなぁ……そうだ！」
　雪だるまもだいたいの形ができたところで、焔は突然買い物袋のほうへ戻っていった。そして袋の中をごそごそとあさってから、買ってきた赤い毛糸を持ち出して雪だるまにマフラーのように飾り付けた。
「どうかな？　これでだいぶ秋奈ちゃんっぽくなったかな？」
「おお！　かっこいいじゃん！　じゃあ秋奈ちゃんも……」
　焔の雪だるまを見て、秋奈も買い物袋のほうへかけていく。そして取り出したのはチラシ。それの赤い部分を三角に切って耳のように飾り付けた
「ふふんっ！　どうよほむちゃん！　かなりほむちゃんじゃね！？　って、やべーぞ！秋奈ちゃんだるまのクオリティが高すぎて輝いて見える……」
　こうして創意工夫しながら、二人は空が赤くなるまで楽しむのであった。


　※SS担当者：桃山シュヴァリエ