イラスト詳細
メイメイ・ルーのしもふりによるおまけイラスト
イラストSS
大陸側と比べれば神威神楽のシャイネンナハトはそれ程華やかなものではない。浸透し始めたばかりの文化を出来るだけ楽しんで欲しいとメイメイは考えていた。
瑞神の座す天津神宮に持ち込んだのはシャイネンナハトの飾りである。料理などを持ち込み細やかなパーティーを開こうと提案するメイメイに瑞神は「とても楽しげですね」と尾を揺らがせた。
「ふむ、宴だというならば晴明に手伝わせよう。どのみちヤツも御所で賀澄の世話に明け暮れて居るだろう。
気分転換をさせればよかろうに。メイメイ殿も構わぬか?」
「……そ、それは……晴明さまが、大変では、ないでしょう、か……」
不安げに告げたメイメイに黄龍と瑞神か顔を見合わせてから――『晴明だから』と声を揃えたのであった。
呼び出された晴明はメイメイのリクエストを聞き早速、天津神宮の装飾に取り掛かった。
彼曰く『女人』に高所を任せるのは忍びないと、出来うる限りの準備に彼は奔走していた。
「その、晴明さま、お一人ではなく……」
「メイメイ殿は俺へと指示をしてはくださらないか。申し訳ないがまだ知識が不足している。
この様な飾りもどの様にするのが良いのか……書物で学んでおけば良かったが、賀澄様のことばかりで申し訳ない」
主君の生誕祭の準備に追われていたという晴明は賀澄が考えるとおりに装飾を施し料理なども準備していたため、大した知識を得られては居ないのだと申し訳なさそうに肩を竦める。
黄龍の言う通り『賀澄の世話』へと奔走していたのだろう。疲弊の色は見えるが、心置きなく楽しめるのだと何処か気分は軽いと言った様子だ。
「そ、それでは、そちらに……」
「ああ、晴明。メイメイさまが仰る飾りを見せて下さいませんか?」
不思議そうに見上げる瑞神を背後から抱き締め「瑞も斯う言って居ろう」と黄龍は晴明に『世話を焼け』『吾を構え』とアピールしている。賀澄の世話と同じくらい手が掛かる神霊に晴明は「承知しました」と応えながら肩を竦めた。
「メイメイ殿、来年の宴は黄龍には留守番を言いつけましょう」
「何を云う、晴明」
「……ふふ」
楽しげな神威神楽の要人達の様子にメイメイは可笑しくなって笑みを漏した。
来年も――そうして次を考えてくれる彼等が、自身を大切な友人だと認めてくれている気がして、心がぽかぽかと暖かくなった。
SS担当:夏あかね