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先を行く君に急かされて
先を行く君に急かされて
イラストSS
巨大なクリスマスツリーの下で待ち合わせしよう――!
オーナメントで装飾されたクリスマスツリーを待ち合わせ場所に選んでいたなじみは足早に掛けだした。
「花丸ちゃんとひよひよはもう来てるかも知れないよ! 早く早く!」
「えっ!?」
aPhoneを確認しようとして走り出すなじみを見失ってしまうと定は慌てる。実際は待ち合わせ10分前で未だ未だ余裕はあるが、困ったような定が面白くてついつい揶揄ってしまうのだ。
花丸とひよのは先に合流して料理の準備をしてくれているらしい。それから買い出しをして、イルミネーションを見てケーキを受け取って……。楽しい一日を想像してなじみの唇にゆったりと笑みが浮かんだ。
「定くん、転んじゃダメだぜ? つるんとスケート気分になるときはなじみさんの手を取って欲しいな」
「それだとなじみさんが転んじゃうだろ?」
「一緒なら恥ずかしくないからね」
そんな気遣いはいらないよと叫びそうになりながら定は楽しげに笑ってなじみの手を取った。逸れないように、なんて言い訳がなければ繋げないけれど「繋いで」と彼女が言えば直ぐさまにYesを返そう。
手を繋いでいるのは――合流までの少しの間、だけれど。
*SS担当:夏あかね