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冬化粧
冬化粧
イラストSS
降り積もる雪に尾をぶんぶんと振ったポメ太郎は「見て下さい、瑞さん!」とぴょんぴょんと跳ね上がった。
ふっくらもふもふとしたフォルムのポメ太郎が風邪を引かないように飼い主が用意してくれたマフラーはその体毛に埋もれている。
「まあ、すっかり雪化粧になりましたね。ポメ太郎さんは寒くありませんか?」
「はい! 瑞さんは?」
「わたしも寒くはありません。寒さには慣れているのかもしれませんね。
黄泉津の雪景色は美しく、わたしも好ましく感じて御所の庭を散歩することが多かったのです」
神威神楽の神霊である瑞神は四季折々の景色を愛しているのだという。友人であるポメ太郎にもそんな美しい景色を疲労することが出来て嬉しいのだと『犬のように』尾を振って合図した。
「瑞さんが好きな景色を見られて嬉しいです!」
「梅花に、桜、それから夏のさざなみの海もご一緒しましょう。秋に色付く葉を踏み分けるのも楽しゅう御座いますよ」
「一緒にできるといいですね!」
尾をぶんぶんと振ったポメ太郎に瑞神はにこりと微笑んでから『飼い主』に「あなたも是非に」と声を掛けたのだった。
*担当SS:夏あかね