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楊枝 茄子子のkiyoponmaruによるおまけイラスト
楊枝 茄子子のkiyoponmaruによるおまけイラスト
イラストSS
「こんにちは、お仕事の進捗は如何でしょうか?」
カスパールはその声に振り返った。手をひらひらと振っているのはシャイネンナハトらしいサンタクロースを思わせるワンピースの茄子子である。
「せっかくのシャイネンナハトなんですから、今日くらいゆっくりしてはいかがです?」
差し出されたのはホイップクリームにチョコレートとナッツをトッピングしたホットラテ。
マグカップは羽衣協会が支援者に配ることのある一品だ。羽衣教会を練達の国教にと画策する茄子子はこのマグカップからでも認知度を上げたいというちょっとした下心と――単純に働き詰めのカスパールを慮って差し入れを持ってやって来たのだ。
「有り難い」
「いいえいいえ。あまり働き過ぎても体に毒ですよ。パフォーマンスも下がりますしね?」
にんまりと笑った茄子子にカスパールは頷いた。練達の塔主として為すべき事は山程にあるが彼女の言う通り、休息は取るべきなのだろう。
何せ今宵は聖夜だ。聖女が微笑めば悪魔も戦いを止める逸話までもが存在している平和な夜。
そんなときまでも気を詰めていては何も為せやしないと年若い娘に教えられた気さえする。
「そうだな、少し休むとしよう」
「それがいいですよ!」
にんまりと微笑んだ茄子子を一瞥してから『マグカップのマーク』には気付かぬふりをしてラテに口をつけた。
*SS担当:夏あかね