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リア・クォーツのあやひによるシングルピンナップクリスマス2021
リア・クォーツのあやひによるシングルピンナップクリスマス2021
イラストSS
聖夜。空を眺めれば星の雫が煌めていようか――
だが、リアは修道院に籠っていた。
不調が故だ。『耳鳴り』とでも称そうか……とにかく頭痛が酷い。
故に――彼女は『招待状』が届いてもなお、床に就いていた。
その身には布一つ纏っていない。傷一つなき美しき肢体が、星々の光に照らされて。
シーツとの衣擦れだけの音が部屋に響け、ば。
「……んっ……ぁ……」
直後。微かな吐息が零れる。あぁまた頭が軋んできたか――
浅い眠りで目覚めれば傍に在るのは遊楽伯よりの手紙。
――今宵。我が邸宅にてお待ちしております。
先の『招待状』だ。つまりは例年の如く開かれているパーティへの。
……だけどどうしても行けなかった。
笑顔を取り繕う余裕もありはしない程だったのだから。
「……ガブリエル様」
写真立てを、抱きしめる。微かな力と共に抱擁する様に……
――貴方は今、どんな世界を見ていますか。
空には美しい月が浮かんでいます。
この星雫の中に佇む存在を、貴方も知ってくれていますか。
……彼女は見据える。天を。胸に抱く想いと共に。
輝かんばかりのこの夜に――貴方と共に在りたかったと、願いながら。