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イラスト詳細

煌めく夜の発見

作者 江里ただし
人物 天目 錬
イラスト種別 シングルピンナップクリスマス2020
登録されているアルバム
納品日 2020年12月24日

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イラストSS


「……符の熱量は、これくらいでいいか」
 長着の各所に懐炉代わりの符を仕込んで、自身の装備品をチェックするのは錬である。
 確認は念入りに。それがまだ足りないと言われても否定できない。
 ……何せ、此度。彼が臨もうとしているその場所とは。
「タワー・オブ・シュペル。話には何度か聞いたことが在ったが……」
 無辜なる混沌に於いて、その在り方を伝説と同一視されている術師の工房であるのだから。
 切っ掛けは、本当に偶然。
 シャイネン・ナハトの夜。街中を気まぐれのようにふらつく彼の姿を追って、辿り着いたのがまさにこの場所だった、と言うだけの事。
『存在すらもあやふやな彼』が、今日ばかりはこの塔に帰ってきているという事実は、錬にとって大きなものだった。
「……仮に踏破できれば、確実に会える、って事だしな」
 無論、彼とて理解していること。此処が『最悪の試練』と呼ばれていることは。
 それでも、その歩みを止めることは、きっと誰であろうと不可能だったであろう。

 ――だって。その憧れは、熱意は、誰にだって抱きうるもので。

「工房というよりダンジョンみたいだな。『最悪の試練』は伊達じゃないってか?
 ……まぁいい、それでこそ挑み甲斐があるってもんだ──!」
 


 そして、塔の扉は開かれる。


 *SS担当者:田辺正彦GM

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