イラストSS

　――シャイネンナハトの夜が遣ってきた。

　ゲオルグは食糧問題を抱える鉄帝を少しでも支援する為に自身の領地で食べ物の無量配給を行うと決めていた。
　レオンハート自治領の名物である『にゃんたま満腹定食』を配るだけでは折角の夜を楽しんでは貰えないか。
　シャイネンナハトなのだ。折角だからとショウを呼び出せば『ダンディ☆プリンス』の特別ライブである。
　流星が流れる輝く屋外ステージにショウとゲオルグは王子様風の衣裳に身を包んで立った。

　歓声が聞こえる。
　名を呼ぶ声と、楽しげな笑顔。民達の微笑みが『ダンディ☆プリンス』にとっての何よりの力となるのだ。
　ゲオルグとショウは視線を合わせた――そして、指先で『ハート』を作る。
　熱狂が聞こえた。
　その声に応えるように空を泳いだ星々に「綺麗な夜空だ」とショウがマイクを通して囁いた。
「ああ。綺麗な空にこの歌を捧げよう」
　ゲオルグの言葉を合図に、ミュージックが流れ始める。
　歓声に応えてショウは目を伏せて、歌い始める。

　この夜へと捧げる愛の歌を――


　　＊SS担当者：夏あかねGM