イラスト詳細
胡蝶の鹿野慈によるシングルピンナップクリスマス2020(横)
胡蝶の鹿野慈によるシングルピンナップクリスマス2020(横)
イラストSS
舞う。舞う。蝶が舞う――。
蒼の光に導かれて、幻想の胡蝶が光と舞う。
蝶が導くは失せたモノ。胡蝶が探すは失せた昨日か。
されど蝶は霧散する。記憶にないもの探すは出来ぬ。失くした昨日を探すは出来ぬ。
されど胡蝶は蝶と舞う。生まれて消えてゆく、儚い蝶と。
胡蝶は踊る、蝶と舞う。儚い蝶に、夢乗せて。
いや、今この時は。輝かんばかりのこの夜には。
雪と月光に己を照らし、ただ消えゆくために、蝶は舞う。
たとえ意味など見いだせずとも。
たとえ意味など分からずとも。
ただただ輝きに任せ、踊るもよい。
ただただ衝動に任せ、踊るもよい。
胡蝶は笑う、何見て笑う。
その目が見つめるのは、広がる明日か。
その目が見つめるのは、失せた昨日か。
胡蝶は何見て、美しく笑う。
その目に映る、蒼は何か。
その手が示す、蒼は何か。
蒼き蝶が、詠うは何か。
蒼き蝶が、謳うは何か。
胡蝶は舞う。蝶は舞う。幻想の蒼に、月光に。
照らされ、揺られ、揺らり揺られ。
いつ終わるともなく、いつ始まるともなく。
永く、永く。永く永く。
ゆらり、ゆらり、ふるり、ふるりと。
ゆらり、ゆらり、ふるり、ふるりと――。
*SS担当者:洗井落雲GM