PandoraPartyProject

イラスト詳細

ささやかで、おだやかで、えがたいとき

作者 千乃 安倭
人物 ハルア・フィーン
今園・賀澄
イラスト種別 2人ピンナップクリスマス2020(サイズアップ)
登録されているアルバム
納品日 2020年12月24日

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イラストSS

 心身共に忙しい彼の荷を少しでも下ろせたら――晴明と黄龍の勧めを受けてハルアと共に茶屋での休息を楽しむ賀澄は白雪を眺めてほう、と息を吐いた。
「まさか御所の外に出ることが叶うとは……」
「はは、本当だね。賀澄の休息をお手伝いできて良かった」
 くすりと微笑んだハルアに賀澄は柔らかに微笑んだ。護衛は彼に気付かれぬようにこっそりと。此れまでの心労を少しでも和らげることが出来ればと――そんな臣下達の心遣いがう嬉しくて賀澄の口元にはゆったりとした笑みが浮かんでいた。
「御所で見る白雪も美しいが、京内を只の男として見る雪はまた趣が違う。
 民と同じ視線に立ち、茶を楽しむことが出来るこの穏やかさが俺は何よりも心地よいのだ。此度は誘いを頂け、感謝している」
「そ、そんな……! 賀澄もボクの誘いに応えてくれてありがとう。どうかな? って思ってたから。賀澄が喜んでくれたならとっても嬉しいよ!」
 ハルアはにんまりと微笑んだ。赤い番傘に積る雪が柔らかに地へと落ちる。
 穏やかな、それでも僅かな時間を楽しむように賀澄は傍らの空色の少女に笑みを返した。
「此れからも、民が過ごす幸福の傍に俺は在りたいと、そう思っている。……その際には力を貸してくれないだろうか」
「真面目だね、賀澄は。うん、ボクでよければ」
 力になるよ、と微笑めば彼は力強く頷いた。そんな、『冬の聖夜』の一時。


 *SS担当者:夏あかね

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