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アト・サインのうみちょすによるおまけイラスト
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「サンタさん。こんな俺達にもプレゼントを恵んでくれるのかい?」
男の声にミニスカサンタの衣装をまとった少女がぴたりと止まる。振り返らないのは声をかけてきた相手がガラの良い相手ではないからだろうか。
けれども、こんな治安の悪い――スラムの中でも目につきにくい裏路地のような――場所に来るという事はそれも承知の上だろう。否、承知の上としてもらわなければ困ると言うものだ。
「なあ、あるんだったらくれよ。ないのかい? 輝かんばかりの――」
「あるよ」
そう言葉を遮った声は低かったような気がする。けれどふわり、と裾を揺らしたスカートに一瞬視線を取られ、それから差し出されたプレゼントに気を取られてしまったものだからそこまで気にならなかった。
「なんだよ、何が入っているかわからねえじゃねえか」
そんなもの自分で開けば良いだろうなどと言う者はここにいない。サンタ姿の彼女もそれを承知の上か、ちゅうちょなく包装紙を破き始めた。リボンも解かれ、箱が――落ちる。その中には何もない。
憤った相手に銃を突きつけたアト・サインはうっそりと笑みを浮かべた。この夜に、殺人鬼による殺戮などという悲しいものは必要ない。
「輝かんばかりのこの夜に……さようなら」
――オーダー、クリア。
*SS担当者:愁GM