イラスト詳細
隠岐奈 朝顔の塩藻による2人ピンナップクリスマス2020(横)
隠岐奈 朝顔の塩藻による2人ピンナップクリスマス2020(横)
イラストSS
東雲色の空が美しい冬の朝。
天香邸の庭園は白く積もった雪に覆われていた。
白い雪に陽光が反射して青く透き通って見える光景は『美しい』という言葉だけでは表現出来ないものがある。それを遮那と朝顔は見つめて居た。
「寒いですね」
「そうだな。冬の朝という感じだ。私は嫌いではない」
「はい。私も遮那君と一緒にこの景色が見られて嬉しいです」
何気ない会話。ただ横に寄り添って眺める景色。
それが溜らなく幸せだと朝顔は思う。
死線を越えて、無事に帰って来た。
そして、こうして聖なる朝を共に迎える事が出来る。
穏やかな時間が掛け替えの無いものだと実感するのだ。
「そういえば、今日は付けてくれてるんですね」
星形のお揃いのマグネットピアス。
「ああ、今日は特別な日だからの。星降る夜には打って付けだろう」
無くしてしまいそうだから、いつもは大切に仕舞ってある輝きを、今日はつけている。
それだけで、朝顔の胸の奥がふんわりと温かくなる。
「そうだ。年が明ければ身内だけで宴をしようと思う。兄上もそっちの方が喜ばれるだろうからな。朝顔も来てくれると嬉しいぞ」
「はい。行きますよ必ず」
朝顔の声が氷の張った水面に響き、陽光が優しく煌めいた。
※担当GM『もみじ』