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シャルロット・D・アヴァローナの甘奈による2人ピンナップクリスマス2020(横)
シャルロット・D・アヴァローナの甘奈による2人ピンナップクリスマス2020(横)
イラストSS
●幻想にキスして
「……あら。パーティは宜しいの?」
「そちらこそ。ホストで今夜の主役でしょう?」
「主役はお客様ですわよ」
「思ってもいない癖に」
そんな言葉に銀の鈴が華やかに転がった。
誰にも親近感の沸く相手はいるものだ。
例えばパーソナルデータが近かったり、例えば主義信条を同じにする相手だったり。シャルロット・D・アヴァローナ(p3p002897)にとって、リーゼロッテ・アーベントロート(p3n000039)は丁度『そういう』相手だった。
綺羅びやかなアーベントロート邸のパーティ。
誰かの笑顔。喧騒。取り留めもない幸福感――
そういったものより彼女には静寂が似合った。
人酔いしそうなホールを離れ、雪の散るテラスで二人が出会ったのはきっと必然だったのだろう。
「お姫様のお手を拝借――」
「――?」
シャルロットはリーゼロッテの手を取り嫣然と微笑う。
「余りにその手がお寒そうでしたので」
「――あら、そういうタイプだったかしら?」
「これでも一応騎士なのよね」
手の甲にキスを落としたシャルロットは冗談めいた。
成る程、長身の彼女とお姫様のシルエットが雪の庭園に落ちればそれは大層絵になるものだ――