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紅楼夢・紫月のゆりちかおによるおまけイラスト
紅楼夢・紫月のゆりちかおによるおまけイラスト
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●聖夜とか知ったこっちゃない人達
雪の散る、神威神楽の大橋の上。
大陸は『聖夜』に浮かれ、一時の盲目で平和を謳歌しているに違いあるまいが。
「不躾とは分かっておりますのやけども――」
目を細め、刀に手を掛けた紅楼夢・紫月(p3p007611)は少々異なる。
「――迷惑とは思いますが、堪忍な。
うち、どうしても見たなってしまったの。
同じ居合をやる身としては興味が尽きへんのよねぇ――だから手合わせお願いします、って言うとまるで果たしみたいやない?」
「うちが『紫乃宮』と理解しての行状、これはいよいよ捨て置けませんわ」
声を掛けられた紫乃宮 たては(p3n000190)も同じだ。
始まりは言葉の通り、紫月がどうしてもたてはとの勝負を希望したからだ。
何も聖夜にしなくても、とは余人の言であろう。こういった手合はしばしばに時と場合を選ばない。それはたてはにせよ、彼の想い人にせよ、紫月にせよ同じだったというだけだ。
「うちは誰が相手でも因縁つけられたら黙ってられませんの。
それがほんに忌々しいろーれっとの連中なら益々です。
叩きのめして黙らせる機会なら、旦那はんも多少の遅刻は大目に見てくれますやろ」
剣呑な気を発したたてはもまたその妖刀に手を掛ける。
居合使いの勝負は刹那。
間合いに雪が溢れ、烏の濡れ羽は同じように風に靡く――