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ココロ=Bliss=Solitudeの禾による2人ピンナップクリスマス2020(横)
ココロ=Bliss=Solitudeの禾による2人ピンナップクリスマス2020(横)
イラストSS
それは、学校帰りで、年の瀬で。
今日は2020年における最後の金曜日な訳で――つまりクリスマスなのだ。
「さむいね、ほむらちゃん」
ことココロはイレギュラーズに海洋の医学校にと忙しい。
だが学園にも通う身であり、そうなれば、たまにこんな事もある。
「あ、ココロさん。はい、寒さちょっとやばいですよね」
「ていうか呼び捨てとかちゃん付けでいいのに。そうだ、こうすると暖かいよ」
言うなり腕を絡ませたココロに、ほむらは一瞬たじろぐが――
イルミネーションに照らされたココロの笑顔が温かくて、自然と笑みが零れた。
シャイネンナハトをクリスマスと呼ぶ、灰色の人混みが騒がしい街は――鉄と石に囲まれた不可思議な街は、それでもこの日、美しかった。
そんなほむらの様子にコロロが感じる『これ』は、果たして安堵とでも呼ぶのだろうか――
異世界出身者のほむらはよく、自分の姿と心は一致していないような事を述べることがあるが、けれどこの姿こそほむらが望んだものであることも直感していた。
ココロはたびたび、本質を直感する。
ほむらには選びたいものがあり、けれど巨大な心理的抵抗があるらしい。
けれど心の中を蝕む凍てつく棘は、何時の日か溶けるだろう。
曲がりくねった道を彷徨う果てに、待っている何かへと、たどり着く日が来るのだろう。
――だからココロはこの照れ屋の友人に、こうして手を差し伸べようと思うのだ。
だって『彼女』にとっては、絶対にそのほうが良いに決まっているから。
*SS担当者:pipi