イラスト詳細
どこへ行きましょうか
イラストSS
初めてのクリスマス。
友達と一緒に過ごせるならばそれはどれ程嬉しいだろう!
――なんて言われたら断れないでしょうとひよのは花丸の頬をつんつん、と。
「友達だって! 嬉しいよね。定くん」
「あ、ああ、そうだね、なじみさん」
『ひよ丸&定なじ』の4人組でのクリスマスはイルミネーションを見るところから始まった。
これからクリスマスパーティーの為の買い出しを進めることになるが、定は何度も感じていた。
(いやいやいや、女子三人に、男一人ってそれってどうなんだ?)
そんなことを思いながらも悪い気はしないのだ。クリスマスパーティーは勿論楽しみなのだから。
「さて、どこに――」
「ちょっとお待ちィッ!」
集合時間の少し前に合流してお揃いの帽子を購入していたひよのと花丸を見てから、なじみは自慢げに手をばっと上げた。
片手だけぶかぶかの手袋をしている。
「「……」」
花丸とひよのが定を見遣れば、どうやら彼の片手を奪ったらしい。
「なんと、なじみさん! 集合する前に電車に手袋を忘れました!」
「……どうして外したの?」
花丸の問い掛けに「なんでだっけ?」と首を傾げるなじみ。ひよのは「なじみが分からないなら分かんないですね」と肩を竦めた。
「それで、寒いから、なじみさんに手袋を貸してくれたというわけです!
ひよひよと花丸ちゃんがお揃帽子だから、なじみさんと定くんもおそろい! ぶい!」
ぴーすと手袋を嵌めた手でドヤるなじみに定は「まあ、そんな感じ……」と頬を掻いた。
「じゃあ、空いた片手はどうするのです?」
「あっ!」
盲点だったとなじみが驚いたような顔を見せる。
花丸と定は『分かってて聞いた』ひよのに気付いて顔を見合わせた。そんなの空いた手を繋ぐ――……
「ぽけっと!」
「――ですよねー」
定の呟きに花丸は吹き出した。確かに、なじみらしい。「間違えた?」と首を傾げて聞いてくる彼女に定は「間違えてないよ」と慌てたように付け足して。
「手を繋げば二人とも暖かいですよ」
「ひよのさんんんん!?!?」
ひよのの追撃に思わず慌てた定を他所になじみは「確かに~!」と頷くのだった。
「……ひよのさん、意地悪したね」
「私は花丸さんとお揃いの帽子で機嫌が良いのですよ」
――花丸はその言葉に「花丸ちゃんも!」と微笑んだ。
*SS担当者:夏あかねGM