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グレイシア=オルトバーンの弐壱百による2人ピンナップクリスマス2020(横)
グレイシア=オルトバーンの弐壱百による2人ピンナップクリスマス2020(横)
イラストSS
「おじさま、おやすみなさーい」
「ああ、おやすみ」
眠そうに眼をこすりながら、寝室に向かうルアナ・テルフォード(p3p000291)を見送るグレイシア=オルトバーン(p3p000111)。
キッチンで、二人分の食器を片付ける。
すう、と、影が伸びた。ルアナにしては――長すぎる影。
その気配を察した時、すでにオルトバーンは迎撃の態勢に入っていた。
けれども、『勇者』は……勇者となったルアナは、攻撃するそぶりすらみせない。ただ、蠱惑的な笑みを浮かべて、オルトバーンに手を差し伸べる。
「私にもシャイネンナハト、楽しませて頂戴」
「どういうつもりだ」
「今日だけは、殺すとか物騒なことは言わないわ。一晩くらいいいじゃない」
「……」
グレイシアは迷う。
けれども今日は、――シャイネンナハト。魔種ですらも戦わぬ日だ。
「……今から準備をするにも時間が掛かる。外に行くとしよう」
コートをとって、ルアナに渡した。宿敵といえども、エスコートくらいはするつもりはあった。
「素敵なお店ね。気に入ったわ」
「それは良かった。……」
「あら、お酒を飲むのが気に入らない?」
「いや」
「それなら、乾杯しましょう」
何に、と問いかけて笑った。皮肉な笑みだ。いずれ自分を殺す勇者と――今は数奇な縁で、酒を酌み交わしている。
「……あなたの未来に」
「あの子の健やかな成長を願って」
*SS担当者:布川GM