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女神と二人踊る夜
女神と二人踊る夜
イラストSS
賑やかなダンスホールを二人で抜け出して、テラスへ来た。
透き通った冬の夜空は、宝石箱をひっくり返したよう。散らばった星々がきらきらと煌めいている。
まさに、輝かんばかりのこの夜――
レイリーとミーナは手を繋いで、空を見上げた。
ホールの喧騒は遥か遠く、星降る世界で二人ぼっちになったような錯覚に陥る。
「星が綺麗ね……」
「うん、綺麗だな」
そう答えるミーナの視線は、少し高い場所にある恋人の横顔に引き寄せられていた。満天の星もいいけれど、きらきら光る彼女の瞳はもっと美しい。
愛しい愛しいと告げる熱い視線に気づいたレイリーは頬を染めた。目が合うと照れ笑いを浮かべる、レイリーの女神様。
「ミーナ。共に踊らせてもらえませんか?」
純白の騎士は跪いて、ミーナの手を取った。答えはもちろん是。
「それではエスコートをお願いしますね、私だけの王子様」
手の甲に触れるだけのキスを落とすと、ダンスホールから流れてくる音楽に合わせて二人は踊った。
輝かんばかりのこの夜に、身を寄せ合って。二人だけの舞踏会は夜更けまで続く。
*SS担当者:乃科GM