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秋月・キツネの江里ただしによる2人ピンナップクリスマス2020(横)
秋月・キツネの江里ただしによる2人ピンナップクリスマス2020(横)
イラストSS
シャイネン・ナハトの買い出しに出かけたキツネが、利香の姿を見かけたのは、ある夕暮れの市場でのことだ。
お互い直接の面識はない間柄だった。とはいえ、共通の友人は居て、その友人から何度か話は聞いていた。
ちょうどいいタイミングかも知れない……そう考えたキツネは、利香に話しかけてみることにした――。
「ああ、あの子の友達だったんですねぇ」
二人で夕暮れの市場を並んで歩く。二人はすでにたくさんの荷物を抱えていて、紙袋からはそれぞれが手に入れた戦利品が顔をのぞかせている。
「随分とチーズが多いのね。チーズパーティでも開くの?」
キツネが小首をかしげる――確かに、利香の荷物の中には、たくさんのチーズの姿が見えた。
パーティを開く……という訳ではない。単に、利香の好物なだけだった。とはいえ、確かに少し買い過ぎただろうか? キツネの言葉通りに、パーティを開けそうなくらいに、大きなチーズが、紙袋の中から顔を出している。
「ええと……まぁ、はい。そんな感じです」
なんだか気恥しかった……正直に説明して、この量を一人で食べるの? と聞かれるのが。利香はそう言ってごまかすことにしたのである。
「そうなのね。まぁ、シャイネン・ナハトだものね……」
どうやらごまかせたらしい。
「あ、わたし、かぼちゃも買わなきゃ」
と、大きなかぼちゃを店先で見つけて、持ち上げた。キツネの顔よりも大きな、大きなかぼちゃだ。
「まぁ、大きいですね。キツネさんはかぼちゃパーティですか?」
くすくすと笑って尋ねる利香へ、
「ふふ、そんな感じ」
キツネも笑って、そう返すのであった。
*SS担当者:洗井落雲GM