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回言 世界のこみねぎによる2人ピンナップクリスマス2020(横)
回言 世界のこみねぎによる2人ピンナップクリスマス2020(横)
イラストSS
「今日は外はシャイネンナハトらしい。それらしい事をしてみるのはどうだ?」
「……シャイネンナハト。うん、知識として走っている」
世界の提案にクレカはこくりと頷いた。申し訳程度に季節感を感じさせるパーティー帽にクリスマスツリー。境界図書館の中では雪も無縁、いつも通りの静寂が流れていた。
かといって、双子の星を呼んでパーティーを開くわけではない。アフタヌーンティーセットにクリスマス要素を取り入れただけの優雅な読書の時間を過ごすだけだ。
「……その赤い帽子が、サンタクロースと言うのは知ってる」
「そうか。何処かの本に書いてあったか?」
「うん。書物は歴史を教えてくれるから。シャイネンナハトのことだって、描かれていた」
「成程。外じゃ真っ白の雪が降り続けて、争いもなく平和な時間が過ぎてるみたいだけどな。此処は何時もと変わらないか」
「うん。物語はいつだって不変……ううん、皆が、変化をもたらして幸福が来ているのかも」
クレカは表情を変えないまま首を傾いで、また本の世界に没頭していく。
どちらも互いの読書を邪魔するわけではない。ただ、心地の良い静寂と頁を捲る音だけが響いていて――
*SS担当者:夏あかねGM