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クロバ・フユツキの高森響による2人ピンナップクリスマス2020(横)
クロバ・フユツキの高森響による2人ピンナップクリスマス2020(横)
イラストSS
特別な夜に二人にとって特別な月を見に行こうとしたのだが、生憎の曇天。しかし雲は厚くないのでしばらく待っていようということになったのだが……シフォリィがくしゃみをした。クロバが自分のマフラーをシフォリィに巻くと、お互い視線が合わさり唇を重ねた。二人の唇が名残惜しそうに離れる。クロバはシフォリィの首に巻かれたマフラーがゆるんでいることに気が付くと、ていねいに巻き直す。
「……クロバさん、いいんですか?」
クロバはいつもマフラーを身につけている。それを大事にしていることはシフォリィもよく知っている。
「……いいんだ」
クロバは他の誰かにマフラーを触らせることを許さない。死んだ妹の形見、それは彼の命にも等しい。彼は手ずからシフォリィへの首へと巻いた。つまりそれの意味することは──
「温かい……です」
シフォリィは微笑む。
「ねぇ、クロバさん? マフラーがない分寒いんじゃないですか? 私いいこと思いつきました」
シフォリィがこてん、とクロバの胸に寄りかかる。
「……ああ、温かいな」
「ふふ」
クロバはシフォリィの肩を抱く。雲間から月がのぞく。月光が二人を照らしていた。
*SS担当者:7号NM