イラストSS

「クロバさん、見てください」
　じゃん、とシフォリィ・シリア・アルテロンド(p3p000174)が体をどけると、きりっとした表情の雪だるまがあらわになる。
　赤いマフラーをつけた、クロバ・フユツキ(p3p000145)に似せたものだ。
「……それは俺、でいいのか？」
「はい。ミニクロバさんです。似てませんか？」
「いや。その……可愛かったからな」
「きりっとしてるでしょう。かっこいいですよ」
　自分でも指できりっとした眉の形をつくって、それから内緒です、と言って笑うシフォリィ。こっそり作業していると思ったらこんなかわいいことをしていたのか。
　クロバは口元が緩みそうになって、思わずマフラーで口元を隠す。

「……クロバさん、何を作っているんですか？」
　内緒だ、と言って、しばらくの作業。出来上がったのは、もう一体の雪だるまだ。
「どうだ」
「これは私……ですか？　かわいらしいです。私、笑っているんですね」
「そうだな。いつも笑っていてくれればと思う」
「！　それなら、この子はクロバさんの隣にいなきゃいけませんね」
　そう言って、シフォリィは大切そうに雪だるまを拾い上げると、ミニシフォリィだるまの横に置いた。
　窓辺で隣り合う、二体の雪だるま。それは、二人にとても良く似ていた。


　＊SS担当者：布川GM