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黎 冰星の萬吉によるおまけイラスト
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「おい待て!逃げるんじゃないぞ」
「そうですぞ!拙者がこの手で捌くためにも、そなたには逃げられては困るからな!」
義光と冰星の二人は、台所の勝手口から逃げる七面鳥を追っていた。どうしてこのような状態になったのか。遡ること数刻前……
「……ということで、自腹を切って七面鳥を買ってきたので捌きませんか?義光さん」
シャイネンナハトの前日に冰星が隠れ家に持ってきたものは、丸々一羽の生きた七面鳥だった。それを見て、活きがよくおいしそうだと感じた義光は、冰星の言われたとおりに刀を取り出して七面鳥に向かう。
このとき、やはり七面鳥のほうも自身の命の危機を感じて、逃げ道を探した。そうして、二人の隙を見て台所の勝手口から逃げ出していった訳だが……
冰星と義光のコンビの前には逃走も無意味であり、結局七面鳥は捕まるのであった。
「ところで冰星殿」
「どうしました、義光さん」
義光は冰星に訊いた。
「七面鳥はどう調理するつもりですか?」
「そりゃ、丸焼きにするに決まっていますが?」
この後、ハーブなどを詰めずに丸焼きにした結果、思っていたほど美味しくなかったのはまた別の話である。
*SS担当者:桃山シュヴァリエNM