イラストSS

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「子供達よ(喜びに)震え！　(突然のプレゼントに)竦め！　そして(楽しそうに)叫べ！」
　枕もとでそんなことを夢うつつでささやかれた子供は声もなく黙り込むだろう。こういうことを言う輩は反応したら余計つけあがるのだ。布団をかぶり、目を閉じ、気配がなくなるまで指一本動かしてはいけないと先人の経験則が言っている。
「――俺が……サンタクロースだ！」
　嘘だ！　お前のような胡乱なサンタがいてたまるか！

　――ヒトには向き不向きがあるのだ。残酷な現実だが。
　取引先は許してくれても、子供の感受性は残酷だ。
　せっかく浮かべた渾身の笑顔を優しげに演出したければ、とりあえず、カンテラを顔より下にぶら下げてはいけなかった。
　斜め四十五度下から光を当てたら、本物のサンタクロースだって不審な徘徊老人。ましてや、裏の家業が必殺な御仁ならなおさらである。
　表で様子を心配そうにうかがっている赤鼻のトナカイさんにライティングを依頼するべきだった。来年はより良きサンタになれますように。ウェルカム。


　＊SS担当者：田奈アガサGM