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シェリオ・アデラの二条によるシングルピンナップクリスマス2020(縦)
シェリオ・アデラの二条によるシングルピンナップクリスマス2020(縦)
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「いやあ、シャイネン・ナハトってこんなに楽しいものなんだなあ!」
シェリオは初めてのシャイネン・ナハトに、そして当日の街の雰囲気にすっかり舞い上がり、あちらこちらへ駆け回っていた。
彼にとって初めてのイベントというものは――短い人生の中で純粋に楽しめるという時点で――様々な気付きを与えてくれる。今こうして手にしているプレゼントも、ローレットを通して仲間と交換したり、道すがら人々にプレゼントを配って回る奇特な者から受け取ったりしたものもある。
並び立つ店の雰囲気はみな暖かく、柔らかく、争いの無い日を享受していることが誰の目にも明らかだ。
普段は与える側に回るシェリオにとって、無償の(有償であっても破格の)譲渡を受ける、というのは滅多に無い体験だった。
――いい子にしていた君にはプレゼントだよ。
「……へへっ」
プレゼントを配っていた男の定形の謳い文句ではあったけれど、その言葉にシェリオは報われたと感じた。
おれは善性(よいこ)でいられたのだと、認めてもらえた気がするんだ。
「……え、パーティー? おれも行っていいの? ……嫌じゃない、行く、行くよ!」
そんな彼を誘う者がいても、そして盛大なパーティーを楽しむ未来があっても、今日だけは。
*SS担当者:ふみのGM