イラスト詳細
笹木 花丸のTUKUNEによる2人ピンナップクリスマス2020(横)
笹木 花丸のTUKUNEによる2人ピンナップクリスマス2020(横)
イラストSS
クリスマスマーケットのイルミネーションがショウウインドウに反射する。
淡い光の煌めきの中を、沢山のショッピングバッグを手にした花丸が走り抜けた。浮き足だった気持ちを表すように、心が踊り「ひよのさん、はやく」と急かすように手招いた。
「ええ。花丸さん、慌てて転んではいけませんよ?」
「え!? 花丸ちゃん、そんなにお転婆さんじゃないよ!?」
「花丸さんってお転婆じゃなかったですっけ? 私ったらてっきり、転んでしまうから手を繋いでとおねだりされるかと……」
揶揄い笑ったひよのに花丸は「ええ-」と頬を膨らましてひよのを見遣った。いつだって頼りがいのある自分で居たはずなのにとひよのを伺えば彼女は悪戯っ子のようにくすくすと声を漏らし続けるだけだ。
「嘘ですよ。私が逸れてしまって迷子になるのが怖いからです。
ゆっくり歩きませんか? 花丸さんが私の手を引いて走ってくれるなら別ですけれど」
「ひよのさんが手を繋ぎたいなら繋ごうかな?」
「あら」
悪戯には悪戯を返して。花丸がぺろりと舌を見せればひよのは可笑しそうに笑い続けた。
何時もより楽しそうに笑う彼女に寒々しい景色と裏腹に心が温かくなるから。
「じゃあ、ひよのさん、はい!」
――今は手を繋いでクリスマスマーケットを楽しもう?
*SS担当者:夏あかねGM