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ユーリエ・シュトラールの黒猫による2人ピンナップクリスマス2020(横)
ユーリエ・シュトラールの黒猫による2人ピンナップクリスマス2020(横)
イラストSS
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――求めるのは、何時もエリザベートの側からだった。
人より依存欲が高いエリザベートの強い想いを、微笑みと共にユーリエが一身に受けるという関係が、毎夜の二人の間には出来上がっていて。
……だから。その日、エリザベートは目を見張ったものだ。
――貴方から私を『誘う』だなんて、どうかしたのですか?
「だって、久しぶりの二人きり、だから」
頬を紅くしたユーリエの言葉に、エリザベートはいじらしさを感じつつも苦笑する。
一年弱前から住まいを同じくしているユーリエの妹も交えて、最近は三人で夜を共にすることが確かに多かった。
ユーリエとて、それまでの夜が嫌だなどと言うことは決してなかったものの、ほんの少しの妬心だって抱いていて。
――そうですね。本当に、久しぶり。
寝台に押し倒すまでで勇気を使い果たしたのだろうユーリエをぐいと引き寄せ、その首筋に口づけを送るエリザベート。
ひゃ、という声音に嗜虐心がざわめく。エリザベートは微笑みと共に最後の言葉を呟いた。
――だから、今夜はもう、離しませんよ?
二人きりの夜を味わい尽くすため、彼女らは遂に言葉を捨てる。
嬌声と、跳ねる身体。
『輝かんばかりのこの夜』が明けるその時まで、二人は互いに愛を伝えあった。
*SS担当者:田辺正彦GM