イラストSS

　去年と一昨年と同じように、セララとハイデマリーは一緒のシャイネンナハトを過ごしていた。
　今年はお揃いのドレスにバラの髪飾りを付けてパーティー会場へ。
　ビュッフェ形式の料理をつまみ歩いて、いつものお喋りを楽しんで。
　そのうちオーケストラが登場して生演奏を始める。
「踊ろう！」
「了解であります」
　セララとハイデマリーは手を取り合って、ダンスホールに向かった。
　二人の少女は手を繋ぎ、ハイデマリーのリードで踊りは始まる。
　演奏に合わせて体を揺らして、いちにのさんでターン。
　ドレスの裾がふわりと広がって花が咲いたかのよう。
「マリー、マリー！」
「なんでありますか？」
「楽しいね」
　いつもあふれている何気ない気持ちだけど、ちゃんと言葉にしておきたくて。セララはそう伝えた。
「で、ありますね」
　だからハイデマリーも素直に認める。
　聖なる良き日はまだまだ続く。


　＊SS担当者：乃科GM