イラストSS

「！！！！」
　ワルツはクリスマスプレゼントのラッピングから現れたぬいぐるみの羊さんと顔を合わせた瞬間、運命を感じた。
　つぶらな瞳にふわふわのもこもこの毛皮。黒いお顔が可愛らしい。
「ふふ」
　そんな妹分の様子をみてアイリスは笑みを浮かべる。
　クールな彼女は感情をあまり出さない。
　けれどアイリスにはわかる。かわいいお耳がぴるぴると揺れている。
　あれはワルツが最高に喜んでいるときの証拠なのだ。
「気に入った？」
「まあ、悪くはないわね」
　つっけんどんなのは態度だけ。きっとアイリスがいなければ抱きしめてごろごろ転がっているのだろうとおもう。
　そんな妹分の姿もみてみたいけれど、それは贅沢すぎるというものだ。
　頬を真っ赤にしてキラキラとした顔のワルツを見れただけでもアイリスは大満足。
　（本当にワルツはかわいいわね）
　口にだせばきっと、そんなことないと怒るから心のなかでだけ思う。
「その……ありがと、大事にはするわ」
　羊を抱きしめて上目遣いで言うものだから。
「って！　離して！　アイリス！　もう！」
　思わずアイリスはぬいぐるみごとワルツを抱きしめたのだった。


　＊SS担当者：鉄瓶ぬめぬめGM