PandoraPartyProject

イラスト詳細

しゃいねんなはと…!!

作者 鹿野慈
人物 ノースポール
ハンス・キングスレー
カイト・シャルラハ
竜胆・シオン
ブラウ
イラスト種別 5人ピンナップクリスマス2020(サイズアップ)
登録されているアルバム
納品日 2020年12月24日

9  

イラストSS

 シャイネンナハトという優しい夜は、どこぞの世界で『クリスマス』とも呼ばれるらしい。そんな話を持ち込んだのは情報屋でもあるブラウだった。

 もみの木に飾りを付けましょう。
 皆でこの夜を祝いましょう。
 プレゼントの交換会も忘れずに。

 無数にある世界の話であるから、どこかで混ざっていたり違う文化が発展していてもおかしくはないけれど。何回も訪れるそのうちの1回くらい、異世界の作法に則ってみても面白そう、なんて。

「皆さんで集まれて良かったです!」
「こちらこそ。こんなパーティ、初めてです」
 ノースポールがはぐはぐとケーキを啄む中、ハンス・キングスレーはこの夜を言祝ぐように歌を歌う。心配しなくたってまだまだごちそう(ケーキ)はあるのだ。なにぶん――皆、鳥姿なものだから。
「いやあ、俺はすっかり満腹だぜ……」
 ぽっこりとお腹を膨らませたカイト・シャルラハは既にご満悦である。何者にも脅かされることなく満ち足りるまで食べられるなんて素晴らしいと言う他ない。
 ここは鳥たちのためのパーティ会場。止まり木の準備もばっちり、他の動物やその因子を持つ者はいないからまかり間違っても食べられるという事は――。
「美味しそうなお腹してますね?」
「ぴぃっ!?」
 思わず言ってしまったブラウにカイトが悲鳴を上げる。冗談ですよの言葉に脱力して卵型クッションへ体を沈めたが、本当に冗談であって欲しい。
「ふふ、食べるのならまだまだケーキがありますよ♪」
「ん……美味しい……いくらでも食べられそう、だね……」
 カイトの隣でケーキを啄む竜胆・シオンは嘴までクリームに塗れている。その目の前には食べている途中のケーキ――だが、その下に重なった皿の数を見て欲しい。つまりはそういうことである。
「ハンスさんもご一緒にどうですか?」
「そうですね、頂きます!」
 ブラウの言葉にハンスが喜び勇んで飛んでくる。その足で掴んだクリスマスのリースはカイトの頭上へポスン、と落ちて。
「な、なんだぁ?」
「花冠……?」
「みたいですね、ふふっ」
 目をまん丸にしたカイトにシオンとノースポールがふふっと笑う。

 和やかなひとときは、まだまだ続きそうだ。


 *SS担当者:愁GM

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