PandoraPartyProject

イラスト詳細

日頃の感謝を彼女へ

作者 うみちょす
人物 秋月 誠吾
ベネディクト=レベンディス=マナガルム
リュティス・ベルンシュタイン
イラスト種別 3人ピンナップクリスマス2020(→おまけイラスト)(サイズアップ)
納品日 2020年12月24日

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イラストSS


「普段屋敷やベネディクト卿の為に働いてくれているリュティスさんに素敵な夜を」

ㅤそんなベネディクト、誠吾の計らいによって招待されたのは、シャイネンナハトの夜に開かれる、貴族が集まるパーティ会場だった。

ㅤ最初は僅かばかりの驚いた表情を見せたリュティスだったが、そこは礼儀を慮るメイド。
ㅤ直ぐに落ち着きを取り戻し、用意されていたドレスに身を包むと、二人の前に姿を現した。

「よく似合ってるよ、リュティス」

ㅤばっちりと燕尾服を着こなしたベネディクトが、いつものメイド姿とは一味違う垢抜けたリュティスへと声をかける。

「誠吾もそう思うだろう?」
「ああ、そうだな」

ㅤその横には燕尾服の着こなしに少し不慣れなものが残る誠吾がリュティスを一瞥していた。

「似合っているだなんて、そんな」
「似合ってるさ。俺が保証するよ」

ㅤそう言って手を差し伸べるベネディクト。誠吾もそれに続く。

ㅤ今日ばかりは、主人であるベネディクトではなく、リュティスこそが主役だ。

ㅤリュティスが淑女らしく、深々と礼をする。

「今宵は素敵なサプライズをありがとうございます」
「どういたしまして、先輩」
「さ、行こうか。パーティはもう始まっているよ」

ㅤ二人の手を取ったリュティスは、パーティ会場へと歩みを進めた。


「教えた甲斐もあってか、中々様になっているじゃないか、誠吾」

ㅤ道中、ベネディクトがそんな言葉を誠吾に零す。
ㅤなるほど、確かに燕尾服の着こなしこそあまり良いとは言えないが、女性のエスコートにおいては、普通の男子高校生とは思えない程に洗練されていた。

「さまになってるならいいんだが…。ありがとうございます。ベネディクト卿」

ㅤこの日の為に二人で特訓した甲斐があった、とベネディクトが続ける。

「私の為に、練習を?」
「いや、まぁ……そうだよ。いつもいろいろと頑張ってくれてる先輩に今日くらいゆっくりして貰えればと思って……」

ㅤバツの悪そうにそう呟く誠吾。

「誠吾、頑張っただろう?」
「……いえ、普段から気を使っておけば練習など必要ないのに、と思います」

ㅤ対するリュティスは特に表情を変えることもなく言ってのける。

「おまっ……!」
「ははは、相変わらずリュティスは厳しいなぁ」
「従者であれば当然の事だと思います」

ㅤ冷たい、あるいは厳しい態度のリュティス。
ㅤだが、そんなリュティスの口角が普段より少しだけ上がっていることを、ベネディクトだけは見逃さなかった。

ㅤそうして、パーティ会場の扉が開かれる。



 *SS担当者:七草大葉NM

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