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魔種・ジーリョ
魔種・ジーリョ
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「あの人は私を美しいと言って愛したけれど、それは人としてじゃなかったの。」
女は自然と静寂を愛していた。
それを共にいることが、愛し愛されることが本当の幸せだと気づかせてくれた男がいた。
男は女の長い髪を美しいと一等愛した。
女は男の赤い瞳を綺麗だと一等愛した。
けれど、男の持つ「愛」が恋愛感情ではないと気づいた時、女は男に別れを告げた。
本心は縋って引き留めて欲しかった。
笑って簡単に「さよなら」を言わないでほしかった。
男を失った女は愛された長い髪を切り落とした。
それでも足りなくて目に入る銀髪を、自分以外の銀色を愛でないでとばかりに手を掛けた。
いつしか男が贈ってくれた白い百合は黒い呪いに染まっていた。