イラストSS

　ローレットに舞い込んだのは『イケオジのメンズグラビア』撮影依頼であった。最初にその依頼書を手にしたときにユリーカ・ユリカはショウへと「どうすればよいのですか」とうんうんと唸る。
「ああ、それならちょうどいい人材を知っているよ。……ほら、丁度来てくれた」
　つい、と顔を上げたショウの視線の先にはゲオルグが立っている。他の仕事を終えた所なのだろう。そんな時に『おねがい』するのは申し訳ないと肩を竦めるユリーカにショウはコップを片手に歩み寄っていく。
「やあ、ゲオルグ。仕事お疲れ様」
　そっと、コップを手渡せば、暖かな麦茶の香に彼は和んだように「ああ」と頷いた。
「それで――急なんだけれど俺と一緒に仕事に行ってくれないか？」
「ショウと？　……どうかしたのか。珍しいな」
　そこで、ショウが説明したのはメンズグラビアの撮影の事だった。はじめはきょとんとした様子であったが、彼は大きく頷き「協力しよう」と告げた。

　撮影はシンプルなものだった。後程、ユリーカが雑誌を見れば１枚頁には真白のシーツが広がっている。その上にビキニパンツで煽情的な二人が寝そべって挑発的な顔をしているのだ。
「わあ」と少女が呟いた言葉に「あまり見ないでくれよ」とショウはゲオルグと小さく笑った。

※担当GM『夏あかね』