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イラスト詳細

宮峰 死聖の岬による3人ピンナップクリスマス2019(横)

作者
人物 宮峰 死聖
木津田・由奈
宮里・聖奈
イラスト種別 3人ピンナップクリスマス2019
納品日 2019年12月24日

10  

イラストSS

「今日は何となく……だけど、身体の調子が良い気がする」
「聖奈が思うに、きっと聖夜パワーなのです。めでたい事です」
 降りしきる銀の雪や、色とりどりのイルミネーションが賑やかに街を彩る。死聖と聖奈は、そんな輝く夜の散策を楽しんでいた。冷え込む夜でも、長いマフラーを一緒に巻けば暖かい。
 二人の背後、看板の後ろから聖奈に向けてドス黒いオーラが放たれているが、幸せなふたりはそれに気づかず――

 あれも可愛い、これも綺麗。聖奈が押して回る死聖の車椅子は、方向が定まらずあっちこっちに。楽しそうだ。死聖も笑顔となる。
「……聖奈。ちょっと向こうまでお願い出来る?」
「あ、はい! 分かりましたです」
 死聖の指示に従って車椅子を押していくと、喧騒からだいぶ離れた場所に出る。周囲に人気は無く、ふたりきりの世界だ。
「あれ? ここ、何もないですよ?」
「うん。……聖奈、ちょっとこっちに」
「?」
 聖奈が死聖の手招きに応じれば、互いに向き合う形となる。よいしょ、と、死聖が車椅子から立ち上がり。
「……」
 聖奈の両肩に、そっと手を置き。
「……師匠……」
 聖奈もゆっくりと目を閉じ、睫毛を震わせ。
 互いの顔が、すぐ近くに――

「――この泥棒猫ッッ!!」

 突如、背後の街灯から物凄い勢いで黒い影が飛び出した。
「由奈!?」
「由奈ちゃん!?」
 死聖の弟子だ。いつの間に、と死聖が漏らす。もしかすると、最初からだろうか――?
 迂闊と言うべきか、由奈の尾行が秀逸過ぎたのか。出鼻を挫かれた死聖と聖奈は、揃って苦笑いを浮かべた。
「仕方ない……か。聖奈、続きはまた後で……ね?」
 由奈に聞こえないよう、死聖は聖奈の耳元でそっと囁き。聖奈の顔が、一瞬でぽっと赤くなる。
「さて、ひとまずはこの場を切り抜けようか」
「は、はひっ!」
 死聖が笑いながら駆け出し、慌てて聖奈もそれに続く。
「待ちなさいーーー! お兄ちゃんは、渡さないんだからーー!」
 鬼気迫る勢いで由奈が追いすがる。少し先にある幸せよりも、まずは目の前の脅威の対処だ。
 果たして、死聖と聖奈は、無事に逃げ切る事が出来たのだろうか――

※担当『白夜ゆう』

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