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イラスト詳細

ティア・マヤ・ラグレンの二条による2人ピンナップクリスマス2019(横)

作者 二条
人物 ティア・マヤ・ラグレン
リーゼロッテ・アーベントロート
イラスト種別 2人ピンナップクリスマス2019(サイズアップ)
納品日 2019年12月24日

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イラストSS

●聖夜ですのよ?
「……っ、難し、い……っ!」
 見事過ぎるアーベントロートの庭園は訪れる者の見目を愉しませる麗しき薔薇の園だ。貴族邸宅の立ち並ぶメフ・メフィートの中心部にありながら、何処よりも人を寄せ付けない『人徳の塊』は長らく『彼女』だけの居場所だった筈だ。
「……中々上手くいかないや」
 少なくともこの場所は喧噪とはかけ離れていた。優雅な昼下がりの一時を『彼女』は他人と共有しなかった。それなのに。
「……どこが悪いかわかる?」
 少なくともこの日、ティア・マヤ・ラグレン(p3p000593)は『彼女』ことリーゼロッテ・アーベントロート(p3n000039)の代わり映えのないお茶会を中断させ、自身の訓練に付き合わせるという快挙を成し遂げていた。
「精が出ますわねぇ」
 素直に答えずそう漏らしたリーゼロッテの口調には幾らかの呆れが混ざっていた。少し前にティアに簡単な『手ほどき』をしたのは確かだが、こうも熱心だとは、とその顔は物語る。
「折角、教えてもらったしね」
 言外に「貴方に」と滲めば、リーゼロッテは幾らか面映ゆく。頬を掻いて視線を宙に彷徨わせた。
 彼女はアーベントロートの首領。名付けられたあだ名は『暗殺令嬢』。国内外に轟く悪名が程に、彼女は単純明快な好意を向けられる事に慣れてはおらず、咳払いをするしかない。
「……制御の難しい技なのです。もっと集中を。少し――ほんの少しね。動き出しにためを作る位の方が適切でしょう」
「……ん!」
 遅れて引き出した回答にティアは笑顔で頷いた。
「でも」
「……?」
「聖夜ですのよ?」
 少しだけ拗ねた調子のリーゼロッテに胸の十字が小さく笑った。

※担当『YAMIDEITEI』

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