PandoraPartyProject

イラスト詳細

アーリア・スピリッツの旭ゆうやによる2人ピンナップクリスマス2019(横)

作者 旭ゆうや
人物 アーリア・スピリッツ
死牡丹・梅泉
イラスト種別 2人ピンナップクリスマス2019(サイズアップ)
登録されているアルバム
納品日 2019年12月24日

10  

イラストSS

●雪に叢雲、花は風
「主も大概酔狂よな」
「……あら、『約束』はやっぱり守る為にあるものじゃない?」
 そう言った剣客――死牡丹・梅泉(p3n000087)に、その美貌にたっぷりの余裕を含ませたアーリア・スピリッツ(p3p004400)は小さく笑みを浮かべていた。
 シャイネン・ナハト――しんしんと雪の降り積もる聖夜の一幕。二人が何時かの街角で戯言を交わし、何時かの酒宴を約束したのは事実だが、庭園を前に縁側に腰かけて二人で呑むにはこんな日は特別が勝つ。
「今日は月もないし――雪に叢雲、なんていうものも素敵でしょう?」
「わしには到底縁はないがな。こういう日に主は暇なのか」
「とんでもない!」
 アーリアは冗句めいて大仰に肩を竦めた。
「今日はとっても忙しいわよぉ。でも、それとこれとは話が別でしょう?」
「女狐め」
「これは魔性か」と梅泉。『こうなった』のはたまたまの遭遇からの済し崩しだが――刀抜かねば風流も美しきも愛する男である。面倒になったらしい彼は、
「では、花は風よ、と返しておこう」
 杯を呷ってもう諦めたようだった。
「ああ、でも。呑めば斬りたくなる――だったかしらぁ?」
「頷いて困るのは主だと思うがな」
「『頷かないと思っているから訊いているのよ』」
「……女狐め」
 毒気を抜かれた梅泉が舌を打つ。
 雪に酒、いい女/男を肴に呑めば捗るのはきっとどちらも同じなのだろう――

※担当『YAMIDEITEI』

PAGETOPPAGEBOTTOM