イラスト詳細
刀と仙狸と、温泉と、そして…
刀と仙狸と、温泉と、そして…
作者 | 風船葛 |
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人物 | 紫電・弍式・アレンツァー 仙狸厄狩 汰磨羈 |
イラスト種別 | 2人ピンナップクリスマス2019 |
登録されているアルバム | |
納品日 | 2019年12月24日 |
10
イラストSS
天に星が輝いていた。
ここはある温泉旅館。そこへ至りしは紫電と汰磨羈の二人で……
今年もまもなく幕を迎えようとしている故の穢れ落とし。
心身を清らかに。来たる年へ厄を持ち越さぬ様に、と。
身体を芯から温める秘湯に入り。美味なる食事をし、そして――
「汰、汰磨羈?」
就寝時。日も暮れ、灯りを消したと同時。
柔らかき寝床へと――汰磨羈は紫電へ自らの重さを『掛け』て。
月の光が薄暗く、しかし確かにそこにいる事が分かる。先の湯にてほんのりと。水分を含んだ髪毛と、身体から香る同じソレ。鼻先を擽ると同時……伏した際に微かにはだけた浴衣の肩先が、素の肌を晒している。
心の臓の鼓動が一度、跳ねる様に。
真っすぐに見据える眼が互いに交わって。
「――――」
頬に灯る熱を感じる。
湯に浸かった時の比ではなく内より体が――いや魂がぬかるんで。
そし、て。
数刻。月の光に陰りが見える。雲がかかったか、何もかもが隠れたか。
天からすら見えぬ地の一室で、何があったか。
――それは彼女達だけが知る事だろう。
※担当『茶零四』