イラストSS

●乙女戦線！～ゲツクの陣～
　善と悪を敷く 天鍵の 女王(p3p000665)（レジーナ）、リア・クォーツ(p3p004937)、ドラマ・ゲツク(p3p000172)。禁断のパジャマパーティはまだ続く。
「何だか、のっけから凄いのを聞いてしまった気がするのですが……」
　無類の物語好き、ドラマが一層その星の瞳を輝かせれば、
「いやー、後続へのプレッシャーだわ。ま、私も負けないけどね！」
　レジーナの熱に浮かされ、リアも少し興奮状態でそんな風に言いなさる（後で後悔する）
　女が三人集まれば姦しい。今夜の話題は、続・疾風怒濤の恋バナだ。
「では、次は私が……」
　二番手ぞ。厳かに真面目な顔をしてドラマが言う。
「元々は……そう、恋なんてしていない、その筈だったのです。
　だって、レオン君は意地悪ばかりしますし、だらしないし、部屋を散らかすし、すぐサボりますし、意地悪ですし、可愛い女の子を見ると見境ないですし……」
　意地悪は二回言った。余程溜まっているらしい。
　ボソボソと不平不満を呟くドラマはとんでもなく愛らしく。唇をきゅっと引き結び、今ここに居ない彼――レオン・ドナーツ・バルトロメイ(p3n000002)を脳裏に描く彼女はとんでもなく『乙女』であった。
「分かるのだわ。ギルドマスターは意地悪。最悪だわ」と頷くレジーナの一方でリアは人が悪い調子で「ほうほうそれでそれで？」と先を促す。
「それに第一です！
　私の好みのタイプは金髪碧眼で優しい、王子様みたいな人で……」
　ドラマは「そうだ」とばかりに声のボリュームを上げたが、これは彼女の失策だった。自分で言ってて、そう言えば。

　――そう言えばレオン君も金髪碧眼ですね――

　……そんな事を考えてしまった日には彼女の顔は文字通りの真っ赤になる。
　色素の薄い皮膚はそれを隠す役にも立たず。

　――それにたまに頼りになるし、意外と優しい所もあるし――

　一度沼に嵌ると読書系ガールの例に漏れず、ドラマさんの空想力は『意地の悪い師匠』を『王子様』のように描き出してしまうのだ。

　――ああ、いいね。オマエらしくて可愛いよ←美化150％

　――うん、いい返事だ。オマエらしい。でもそこそこそれはあぶねーからな？←乙女ゲーのスチルの如く

「あ、ああああああ……」
「あらあら。これは……」
「なになになにー？　ほらほらもっとちゃんと聞かせてよー」
　ドラマは頭を抱え、レジーナは彼女の姿に自身を重ね、『まだ』安全圏に居るリアはすかさずそんなドラマをからかった。
　夜の語らいはまだ続く。
　嗚呼、リア君の処刑はチャントマンに任せる事にしておこう！

※担当『YAMIDEITEI』