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すやぁ…
すやぁ…
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「これは……困りました……」
幽魅はこの特別な日、シオンに贈り物を渡そうと、サンタクロースの格好まで準備してきたのだが、肝心のシオンは自分の膝上で夢心地。贈り物の封を解くより前に、眠ってしまったのだ。三度の飯より昼寝が好き、という彼にとってはいつもの事で、幽魅もよく知ってはいるのだが。
幽魅が贈り物に選んだのは、自分が着けているヘアピンのオバケの大きなぬいぐるみ。頑張って選んではみたものの、だいぶ己の趣味入りで。果たして、シオンは喜んでくれるだろうか。
つい後ろ向きに考えてしまう彼女の気持ちもいざ知らず、シオンの寝顔はとても安らかだ。
「どんな夢を……見ているの……でしょうか」
寝ながら微笑んだシオンを見て、幽魅の気持ちもふわりと和らぐ。幽魅は彼を起こさないよう、優しく彼の頭を撫でた。
「ありがと……幽魅さん……むにゃむにゃ」
シオンの寝言。幸せな夢の中には、どうやら幽魅が居るようだ。
どんな宝物よりも何よりも、幽魅が傍に居てくれること。それがシオンにとっても、そして幽魅にとっても、最高のプレゼントなのだから。
※担当『白夜ゆう』