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イラスト詳細

雪下 薫子のhoujohによる2人ピンナップクリスマス2019(横)

作者 houjoh
人物 雪下 薫子
加賀・栄龍
イラスト種別 2人ピンナップクリスマス2019(サイズアップ)
納品日 2019年12月24日

9  

イラストSS

 ふっ、と気配を感じたのだ。
「――雪か」
 加賀栄龍。彼の部屋から見える窓の外。白き結晶が外に降り注いでいる。
 ああ、かような時期かと……己が目に映る世界を見据えていれば。
「どうされました。何か、気がかりな事でも?」
 己が伴侶――いや、正確には見合いをして付き合う事に成っただけである段階だが――
 薫子がお茶と共に栄龍へ言を。
「いや。なんとなし、懐かしい気がしただけで……」
「懐かしい、とは生まれ故郷の?」
 そう、なのだが。別に長い事雪を見なかった訳でもない。
 しかしそう感じたのは何故だろうか。
 戦続けの日々。あの蜜月の最中にも見た覚えはあった筈なのに。
「――」
 薫子の煎じた茶を喉へ。
 さればふっ――と、心が和らぐ。
 温かな飲み物だからか。いや、否、否。そうではない――ああ――
「そうか」
 ただ、視界が少しだけ広がっただけなのかもしれない。
 彼女と共に在れるこの時を経て。
 蜜月に慣れる前。まだ純粋なる時期に一度見た、あの日の雪を。

 思い出しただけなのかもしれない。

「――淹れ直しましょうか」
 気付けば飲み干していた杯の中。
 彼女と交わす言葉は決して多くない。どころか手を繋いですらまだいない。
 それでも、心のどこかで。

 二人は共に過ごす暇を愛しく想い――確かに安らいでいた。

※担当『茶零四』

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