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サンタさん待ち伏せ徹夜作戦(失敗)
サンタさん待ち伏せ徹夜作戦(失敗)
イラストSS
時間は0時を周る頃合いだった。
『目標』にバレないように少し薄暗くした室内。
ジュースは飲みかけ、お菓子はほとんど手つかずで。
羊たちに囲まれてかっくり、かっくり。船を漕ぐトナカイのきぐるみ。
「ことし、こそは……。むにゃ」
ぐしぐしと目をこすり、窓の外をじぃっと見つめる。
ぴこぴことけも耳が揺れ、気を張っているのか
いつもならもうぐっすりと寝ている時間だ。でも、メイにはそう、今年こそ。この聖夜にしか出来ない重大な使命があったのだ。
赤い帽子、白いお髭の子供のヒーロー。メイが故郷に居たときも、いつもプレゼントをくれたその人……。
「サンタさん……。みたいのですっ」
どうしても、彼女にはかの爺の姿を見てみたく、そして一言、言えるのであればお礼を言ってみたいのであった。
毎回毎回チャレンジをしては沈没しているが、子供の無邪気な好奇心はとめどなく、今回密かな真夜中の冒険と相成った。
しかしいつまでたっても目標は現れない。焦れて、暇つぶしに用意した航海日誌も読み切って。
ああ、もう、だめ。ねむい……。
ついに堪えきれずぽてんと横になった。
すよ、すよ……。
寝息の奥。そっと誰かが入ってくるのにも気づかず、メイは朝までぐっすりと眠りにつくのであった。
※担当『金華鉄仙』