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めっちゃさみーんだぬ!!
めっちゃさみーんだぬ!!
イラストSS
──ついに、雪がちらつきはじめた。
そのあまりに過酷な状況に、聖夜の妖精は悲鳴を上げた。
「めっちゃさみーんだお!!」
ニル=エルサリスはシャイネン・ナハトに配るつもりのプレゼントを抱えて、屋根の上で震えていた。
この聖夜を彼女なりにアレンジした服装は完ぺきだ。緑のリボンは愛らしく、温かな赤いブーツや帽子は白くふわふわと縁どられて黒いハイソックスだって暖かい。
ただ、ただ──なぜか他の布面積だけは非情にもビキニに近くて、高い肌色指数は同時に寒さに対する低い防寒性を示し、かなりの危険信号を出していた。
しかし、彼女は不幸にもそのサインを見過ごし聖夜の寒さをゆるっと忘れていた。
「……コ、コートがほしいんだぬ……!」
緑のリボンにくるまれた愛嬌・スタイルともに抜群の可愛い妖精の来訪は無辜なる人々に幸せをもたらすだろう。だが、その前に妖精はここで凍り付く。
凍える身体をなんとか奮い立たせるニル。
その瞬間、更なる悲劇が彼女を襲う。抱きしめると僅かな暖を与えてくれたプレゼントの袋までもがつるっと彼女を見放したのだ。
「はわ!?」
混乱のあまり目をぐるぐるさせながら、彼女は涙目で手を伸ばした。
※担当GM『依』