PandoraPartyProject

イラスト詳細

エーリカ・マルトリッツの佐東敏生による2人ピンナップクリスマス2018(横)

作者 佐東敏生
人物 エーリカ・メルカノワ
ラノール・メルカノワ
イラスト種別 2人ピンナップクリスマス2018(サイズアップ)
納品日 2018年12月24日

15  

イラストSS

 ちらつく雪を一片手にとって。エーリカはエンジェル・ブルーの瞳を夜空へと向けた。
 ほうと白い息を吐けば。家の奥からラノールが温かいココアを持ってやってくる。
 彼の顔をみているだけで。寒さに震える事も。誰かに怯える事も。もう、しなくても良いのだと心が安らぐ。
「寒くはないか?」
 青年がブランケットを少女の肩に掛けた。
 温かさと優しさが抱かれた肩から伝わってくる。

 姿を。故郷を。名を捨て。夜に紛れて漂っていた彼女を照らしたのは、濃紺に煌めく星だ。
 与えられた言の葉は一つ一つ、エーリカの胸に落ちてきて。
 気づけば暖かな光が彼女の心に灯っていた。
 死にたくないと願っていた、星に焦がれた鳥は。その煌めく星に抱かれて愛を知った。
 灰色だった彼女の世界は、ラノールと共に色彩を覚え。広がり。
 同時に押し寄せる。
 よろこび。
 しあわせ。
 高鳴る鼓動を隠す事はもうしない。

 ラノールに身体を預け、一緒にラピスラズリの空を見上げる少女。
 儚く、今にも壊れそうだった『夜鷹』は、もう見当たらない。
 愛を知った少女と傍らで寄り添う青年が居るだけ。

 星の数を数えながら、暖かな家で心安らぐ一時を。
 共に過ごそう――

 ※担当GM『もみじ』

PAGETOPPAGEBOTTOM