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リュグナート・ヴェクサシオンの弌花瞠による2人ピンナップクリスマス2018(横)
リュグナート・ヴェクサシオンの弌花瞠による2人ピンナップクリスマス2018(横)
イラストSS
夜闇に真白。灯りが照らすは和の庭園。
「いいね、こういうのも」
「はい。肩が冷えますから、どうぞこちらへ」
笑みを浮かべて景色を眺めるルドルフ・ファッジ。リュグナート・ヴェクサシオンはその様子を見下ろしながらも、手を持ち替えて傘を彼へと寄せた。従者たる者──何より、他でもないルドルフの体を雪で冷やすなどあってはならない。
けれど。
「ほら寄って寄って」
「え? いえ、俺は別に──」
雪で冷えても構わない、と続けようとしたリュグナート。しかしその言の葉が紡がれる前に、ルドルフは彼の傘を持つ手に自らのそれを重ね、2人の真ん中へ傘を移動させてしまう。
相合傘、という事実に。そして重ねられた手に。2人の鼓動は少し早くなって、口角が緩んでしまいそう。
「……行こうか?」
ルドルフ言葉と視線に、リュグナートは微笑んで頷いてみせて。
雪の降る、美しい景色。耳を澄ませば聞こえるのはそばを流れる水の音。そして2人分の足音。黙ってしまえばそれしか聞こえない。世界が沈黙しているようで、どこか幻想的だった。
けれど、と思う。美しく感じるのは、静謐に神秘的に感じるのは──きっと、傍らの温もりがある故に。
※担当GM『愁』