イラストSS

　朝に降った雪は、日没と共に止んだ。
　さく、さく、と雪を踏みながら、シェリーは崖への道を進む。
　そこからは、夜の幻想を一望出来た。
　冷たい空は雲を散らし、きらめく星々は瞬いて、眼下に広がる街並みからは賑やかなイルミネーションが強い光を見せている。
「……」
　手頃な岩の上、雪を払って腰を落ち着ける。
　脇に抱えていた本を膝の上に開いて、右手にペンをーー
「ん」
　ふわりと吹く風が、艶やかな黒髪を風にさらう。
　収まるのを待ち、耳に掛かる様に掻き上げると、改めてペンを走らせる。
　瞳に写る物、頁に記す物。
　出来上がるそれを捲るのはーー。

　※担当GM『ユズキ』