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サイモン レクターのおき海苔によるシングルピンナップクリスマス2018(縦)
サイモン レクターのおき海苔によるシングルピンナップクリスマス2018(縦)
イラストSS
「はっ……まさかこんな所でもこんな行事があるなんてな」
サイモン見上げる。ツリーの輝かしさを。ああなんともはや、立派なクリスマスツリーだ。派手なイルミネーションの数々。蒼き光が己の目にも。
灯すタバコ。燻る煙。やれやれつい先日蠍との闘争があったというのに平穏な事だ。
「……ま、こういうのが出来るってのは良い事なんだろうけどな」
もし悪の側が勝っていたらこんな場合ではなかったろう。
今頃は嘆きと悲しみに溢れるシャイネン・ナハトに成っていたに違いあるまい。そうなれば雲泥の事態。己の様な血生臭い事に慣れている者達が闊歩する泥沼の――
思考を切る。いやいやこんな事を考える日ではない。
天を見上げたままサイモンはゆっくりと煙を弛ませる。
何を想うか。何を考えるか。サングラスの奥の瞳は、誰にも悟らせず。
雪が降る。ちらほらと、少しずつ強くなっているか。だがもう少し。今少しばかりこうしていよう。ズボンのポケットに両の手を。少しでも寒さを凌がんとして。
揺蕩う煙は未だ高く。高く昇って散っていく。
霧の如く。吸血鬼の如く。
※担当GM『茶零四』