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クリスマス2018
クリスマス2018
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さて――聖夜といえど全ての業務が停止している訳ではない。
「は~いお届けモノだよ~! シャイネン・ナハトおめでと~!」
例えば郵便配達などもその一つだ。
ニーニアは自ら進んでその業務に取り組んでいた。誰かがやらねばならぬことであるし、そうでなくとも自らの気質故に。プレゼントを貰うよりも、配る側の方が性に合っている。
「えーと? 次はこの先に回って……その後は……」
駆ける途中にツリーが見える。家に灯る光が見える。
誰かが楽しんでいるだろうか。家族と恋人と友人と。
善きかな善きかな。思わず己にも笑みが生まれる。そんな所へ手紙を配達するという意義――ああ存分に感じるものだ。この日に合わせ、サンタの恰好をしている意味も増す。
さぁ行こう。次へ。そのまた次へ。シャイネン・ナハトの贈り物を届けに。
「こんばんは~! お届けモノで~す!」
戸を叩く。贈り物はまだまだ沢山。
さぁ次はどこから回ろうか――首に巻いた茶色のマフラーを締め直して。
彼女は紡ぐ。今宵の想いを、誰かに届けに。
※担当GM『茶零四』