イラスト詳細
ティア・マヤ・ラグレンのさとみによる2人ピンナップクリスマス2018(横)
ティア・マヤ・ラグレンのさとみによる2人ピンナップクリスマス2018(横)
イラストSS
「あら、エスコートして下さいますのね?」
華やかな笑みを浮かべたリーゼロッテは、まるでその全てが上等な砂糖で作られているかのような。全くその所作の全てまでもが完璧なお嬢様の顔をして見せている。
アーベントロート邸での舞踏は『青薔薇の夜』以来。
慎ましやかな――リーゼロッテに比べて『映える』スタイルの持ち主であるティアもまた麗しいナイトドレスを纏っていたはいたのだが、今夜ばかりは男性役。
相手が『砂糖菓子のお姫様』でなければ――ごく普通にその場所に居たならば女役でも引く手数多に違いない、美しい立ち姿なのではあるのだが。
リーゼロッテはそんな『お相手』の姿に目を細めている。
「うふふ、少し照れますわね」
「お気に召しますままに――
足にとまっていただいても構いませんよ」
ティアの冗句に鈴が鳴る。
『気取っておるな』
十字架の魂、その茶々入れには構わない。
「では、失礼して」
黒絹に包まれたお嬢様の手を優雅にとって恭しく一礼すれば、ワルツの調べはこの一時を歓待する。
やや芝居がかったかのようなティアと、甘んじてこの温い時間に身を浸すリーゼロッテ。
壁の花なる毒花の姿は今夜無く。
余人が溜息を吐く程に華やいだ時間を作り出したのはティアの『エスコート』が故なのだ――
※担当GM『YAMIDEITEI』
挿絵情報
- シナリオ『青薔薇は夜に咲く』