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アーリア・スピリッツの棘ナツによる2人ピンナップクリスマス2018(横)
アーリア・スピリッツの棘ナツによる2人ピンナップクリスマス2018(横)
イラストSS
暖かな湯気が広がる浴室で、滑らかな浴槽背を預ける。
Apartments du cidre。
そこは招かれた、姉と慕うアーリアのお部屋。
クオリアの少女――いつものリアが見せる冷静さも、裏腹な激情も、ほんの少し素直になれない所も。
鼓動の高鳴りと。微かな気後れと。大いなる憧れに溺れ消え失せる。
豊かな胸元で踊るサンタやトナカイのバスグッズ、たくさん泡にくすぐられて。
リアは泡を両手で救い上げ、柔らかな笑顔を見せた。
「まだまだ子どもねぇ」
それは眼前のリアと、それ以外のリアと。どちらにもかかるダブルミーニングかもしれず。
「アーリアさん!」
「どうしたのぉ?」
アーリアの優しく艶やかな笑みに――
――けれどリアのサフィールの瞳、その視線は平素の鋭さとは縁遠く。
窓を彩る星明りのように。アーリアから感じる穏やかな旋律に、ただ心を預けてみた。
身を包む湯のように暖かで。泡のように優しくて――
ゆっくりとした時間を終えたなら。
アーリアがいたずらな笑みをこぼす。
クーラーの中でよく冷えたシャンパンが待っているから。
心に流れる旋律のおどけた転調に。
「もう……!」
「リアちゃんの分もあるわよぉ?」
そちらはちゃんとアルコール抜きで。
そんなお姉さまの心遣いに、リアはもう一度ほほ笑んだ。
※担当GM『pipi』